泡沫の記
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2005年05月27日(金) とても幸せだった誕生日の夜

誕生日の夜、彼は一生懸命に仕事やその他の都合をつけてくれて
私に、今までの人生で最高に楽しくて幸せなひとときを過ごしてくれた。

予定していたフレンチのお店が予約でいっぱいで
急遽店が変更になったけれど、そのお店もとても素敵だった。
全くの偶然だけれど私達が着席した時に、店内のグランドピアノは
「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」を奏でていた。

彼の誕生日は今月の21日だったので、いわば二人の誕生日祝いの時間。

好きで好きでたまらない気持ちを、私はどうすることも出来ずにいる。
いや、私は不毛と知りつつ彼に直接訴えてしまう。

彼は私を好きだし、彼なりに愛してくれている。それは感じる。
でも、かれの愛は「最大の好意」でしかない。
相手が私だからではなく、それが彼という人間なのだ。
その思考回路のなかでは、私は愛されているといえるだろう。

でも自分の主義主張が全く変わらず、
自分流にしか物事を受けとめることが出来ない彼を
私は自分にとって、どういう存在として位置づければいいのかわからない。

・・・

私は、彼なりの愛情を疑っていないつもりだけれど、
何か確かなものが欲しい。
結婚となると難しいことはわかる。
結婚生活を送りたいというより、公的な存在になりたいのだ。
でも、それは絶対に彼が承知しない。
私でなくても誰とも彼は結婚しない。
私とて、結婚という言葉を口にしたものの、
結婚生活を望んでいる訳ではないのでいささか抵抗はある。

私が望むものは、彼の気持ちが嘘偽りがないのだから
何か確かな絆が欲しい。それは入籍という形でなくてかまわない。
平たく言えば「公的な恋人」になりたいのだ。
事実上はそうであっても、彼はそれを秘めた状態のままで
いたいのである。
隠したいということではないのだろうが、他人に言うことではない、と。


私は、どうしたらいい?
妹にまで頭を下げ、工面してもらったお金。
当てにしていたらしい、退職金は思っていた最低額以下で
全額が前妻に渡った。
私は何年もかけて90万というお金を妹に返済していくのだろうか。
何より、いづれ借りたお金の用途を話さなければならない時に
何と言えばいい?
正直に言えるわけがない。

私は妹に何と言えばよいのか彼に聞いてみた。
でも彼の返事は「俺にもわからない」と言うだけ。

お金のことは、とにかく私自身が責任を持って妹に返済
せねばならないと思う。
彼を信じたのは、私なのだから。
私が妹を裏切らなければいいだけなのかもしれない。

彼への誕生日プレゼントは、ダンヒルのベルト。
とても迷ったけれど、財布系は嫌いな人だし
ネクタイは柄がよくないし、ありきたりで気乗りがしない。
時計はすでに持っている。(まぁ20万くらいするものを買えないけれど)
結局散々迷った末に、その日に追加入荷したばかりの
シルバーのバックルのついたベルトにした。

彼はものすごく喜んでくれた。
ちょうど、今まで使っていたサンローランのベルトが傷んできて
新しく買いたいけれど、お金がないので
超安物を(何百円とか)買うつもりでいたところだったという。
ダンヒルのベルトが高いことも知っていて、欲しかったけれど
高くていままで買えなかったから、とても嬉しいと
素直に喜んでくれた。
私も奮発した甲斐があった。
なにしろ、本当に何をプレゼントしたらいいのか
何日も、とてもとても迷ったから。

もしかしたら、来年はないかもしれない、
二人だけの楽しいデートだったと思う。
死ぬまで忘れないと思う。


波ちどり |MAIL

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