プープーの罠
2008年12月24日(水)

クリスマス2008

携帯を家に忘れて
会社に行った。


家を出て3分くらいした
ところで気付いたけれど、

仕事の後に待ち合わせがある

わけでもないし、

折り返して取りに行くほど必要

なわけでもないし
そのまま出勤した。


仕事は相変わらずヒマで、
時間潰しに携帯がないのは
ちょっと不便だったけれど。


定時近くになって急に
以前納品した案件の修正が入り、
いつも遅くまでいる人達すら
いそいそと定時に上がっていくクリスマスの中
残業と相成りまして、

まぁ家で一人でいる
よりは残業代を稼いだ方がいくらかマシだ。


いつにも増して手を繋いだカップルが多い道を
真っ直ぐ家に帰ると
携帯の不在着信のランプがピカピカと光っていた。

着信2件。
派遣会社とつじさん

派遣会社は契約の件だろう、
つじさんは辞めて以来ぶりだから4年半くらいになる。


今さら何の用だ?


少し躊躇したけれど、折り返し電話をかけた。
全然変わらない声のつじさんが出て、
まるで旧友のように普通に話し始める。

 娘がね、中3になって、
 受験生なんだけど、
 かっこいい芸術家になるとか言って、
 何か浅田に似てきたの。
 それで浅田のこと思い出して電話してみた。
 何してるのかと思って。


 相変わらずぷらぷらしてますよ。

 結婚した?

 してないですよ。

 だろうと思った(笑)

ひゃっひゃと笑われて私の方も思わず笑みがこぼれる。
そんな風に私を笑ってくれる人と久しぶりに話をしたなと思った。


実際に一緒に働いたのはたった4ヶ月だったけれど、
私が今まで渡り歩いてきた職場の中で
きっと誰よりも私の人格をまるごとおもしろがって
人間性を好いてくれたのが つじさん だった。


つじさんは私が辞めてから今までの
自分の仕事をかいつまんで教えてくれ、
「今いるところはカタイ会社なんだけどね、」
と前置きしてから

 すぐにじゃなくて構わないんだけど、
 また一緒に働けないかな


と言った。


「年が明けたら飲みにでも行きましょう」
と約束をして電話を切ってから
つじさんの会社を検索する。

まさにオカタイ会社だ。
どんなに割のいい求人があっても
私が真っ先にスルーするような。

もしここで働くとしたら
内容はきっとつまらなくなるだろう。

でももう一度彼と一緒に働いてみたい。


"内容"で仕事する。
"お金"のために仕事する。
"人"とする仕事。


私はどれをやりたいのか。
そろそろ答えを見つけてもいいんじゃないのかと思う。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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