プープーの罠
2008年05月29日(木)

自覚

季節は五月病と梅雨。
鬱々とした雰囲気がマジョリティーな今日この頃、
私はパニック障害になった。


年が明けた頃から予兆はあった。
映画館が怖いことに気付いて
水曜日の習慣になっていた映画鑑賞をやめた。


まずは買い物をしていて陳列棚を眺めていたら
急に目眩がしてしゃがみこんだら
もう立てなくなり、店員に運ばれて
バックヤードで休ませてもらった。

DVDのレンタル屋でも同じことをした。
駅のホームでもなった。

レジに並んでも待ってる間にクラクラしてきて
二度と外では倒れまいとカゴをその場に放り出して
家に帰ったことも何度かあった。


そうやって"立ち止まると危ない"と認識したら、
信号が待てなくなった。
立ち止まると目眩がする。
立ち止まらなくて済むようにずっと先にある信号を見つめて
歩幅を変えたりたらたら歩いたりして調整する。
それでもだめそうな時は、行きたい
方向はとりあえず無視して青信号の方へ曲がる。


そしてずっと立ち止まっていなければならない
電車に乗るのが怖くなった。
ぼんやりと何も考えずに乗っている方法が分からなくなった。
電車が駅に止まる度に降りたくて仕方がなくなる。

電車に乗ると頭の回転が異様に速くなるのが分かる。
死ぬことをものすごいスピードで考え続ける。
気をそらせるために携帯をいじってみたりゲームをしてみたりするけれど
それとは別の思考ラインがきっちりと生きていて
えんえんと「死について」を考え続ける。
それから逃げたいがために飛び降りたくなる衝動を必死に抑え
ながらもそこから抜け出せない。

人と食事をした時に一緒に電車で帰ることにハラハラして
 電車が苦手でゆっくり帰るのでお先にどうぞ
と言ったらさらりとタクシーで送ってくれたことがあった。
座れるし、停車駅はないし、話をしていたら気が紛れる
かなと思ったけれど、信号で止まる
度にそわそわが募り、結局
途中で下ろしてもらった。


乗物に乗らないように、と歩いた
ら歩いたで異様に頭に血が上るか下がるかで目眩がする。



閉所恐怖症
自律神経失調症
そしてパニック障害。

名前を付けようとしたらいろいろあるだろう。
実際はどれだかわからない。
どれでもないのかも知れない。
けど

回避策を探すごとに
泥沼にはまっていく。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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