プープーの罠
2004年11月11日(木)

糸の関係

彼女とはネットで知り合った。
私が当時やっていたサイトの常連であった。

たまに彼女が送ってくるメール、
サイトについての感想でしたが、
5通に1度くらいは返事を出し、
ある時、行きたいイベントがあり、
そのことをサイトで話題にした
ときに、彼女から
『ちょうど私も行くので』
とメールをもらい、それで会ったのが最初
だったか、まぁそんな感じの、
サイトをやっていた私にとって
さして珍しくもない知り合い方であった。

以来、イベントの度に
先回りして誘われるようになり、
まさに行こうと思ってるんですもの、
そりゃ行きますよ
そうして 会う というより
一緒に行動 したのが何度か、
それが数年に渡り続いて、

そう 振り返ってみれば
長い付き合い
ということになりますが
ただそれ だけ であり、
糸のようにごく細い付き合いである。

常連というものは いつもいる
という だけ のことで
イコール友達
とは限らないし、その存在を
管理人がどう思っているかは
また別次元の話であり、

私は無闇に親友ヅラで知った風にされるのは
少なくともいい気分ではなかったし
ある日とてもイヤだと思った。
だからサイトをやめて、誰にも教えずに
レンタル日記に引っ越した。
大方の人はそのまま縁が切れたけれど、
私はそういう付き合い方を選んでいる。

その時も彼女はわざわざ
傷ついた
と申告してくれ、私はそれを無視したが
彼女のメールの頻度は以前よりマメになった。

それで、これで。

私から連絡をしたことがない
ので、私からしたら、それでも表面上の
関係は何も変わってはいないわけですが、
数カ月経った今、彼女はこう記した。

「死ね」と言われた気分だった。
以来、人にメールをするのが怖くなった。
リハビリをして最近やっとちょっとずつ
またメールができるようになった。
もしも私に悪いところがあったなら
ちゃんと言ってほしかった。
そうしたら直す努力だってできたのに。


傷をつけたことは承知である
けれどこう言ってもきっと
分かりはしないだろうけれど
私には悪意はなかったし
嫌いだから言ったわけでもなく、
ただシンプルに「合わない」だけのことだ。
この噛み合わない誤解もそれを証明してる。
そして、嫌いだと誤解された
ところでわざわざ弁解するほど
私にとって彼女自身の存在は大きい
ものではなく、また、どう
思われても一向にかまわない。

私の何に執着している?
幾度となく私の態度に"傷つけられ"て
何故それでもしがみつく?

それだけお手軽に友情を形成
するのであれば友達なんて腐る
ほどいるでしょう。
リハビリになるような優しい
メールをやりとりしてくれる
人がいるのでしょう?

ほつれても途切れても裁ち切っても結び直される
この糸の関係はひょっとしたら
すごくすごく貴重なものかも知れません。
けれど、これが小判であったなら私はネコであり、
真珠であるならば私はブタである。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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