プープーの罠
2004年11月07日(日)

引き際

ハナコさんとはそこで別れ、
残った人で2次会があるというが15,6人、
とにかく知らない人ばかりである。
どのタイミングで抜けようか
と漠然と画策していた

けれど、結局
それでも残ったのは
ハニちゃんが来る
ということを確信
していたから
だったのでした。

坂道の多い
裏通りにある学校の教室
のように殺風景な飲み屋、

少し遅れてやはり
ハニちゃんはやって来て、
どれくらいぶりかしら
髪型が"らしく"整えられ、
メガネが変わっていた。

ハニちゃんは私の隣に座り、
人見知りさんですから
知らない人の傍よりは
私の方がマシという案配です。
近況をゆるやかに話してくれる。
それは順調で充実したものであり、
思い出しながら話す口振りも実に楽しそう。

ほどなくして五代さんも合流、
ハニちゃんの話し相手は彼に移る。
知ってる人が来たならば
私なんて用ナシという案配です。
私はその様子を眺めている。

彼が、微笑む時に口元に手を当てるのが好き。

それはもう
私に向けられた
ものではない、
けれど。


これ飲んだら帰ろう
と、ウーロン茶を飲み下す
けれど、結局またウーロン茶を注文し
その場を離れることができない。
アルコールなんてとっくに飛んだ。

ほぼ 一定の間隔で
ハニちゃんの携帯にメールが届き、
彼は敏感に気づいては確認する。
私はだんだん気持ち悪くなってくる。

3時を過ぎた頃、ようやく
私は重い腰をあげ、飲み屋をあとにした。
帰り際ハニちゃんは、今日
初めてじっとこっちを見た。

タクシーはひんやりとし、
空気が研ぎすまされていて
幾分か爽やかな感じがする。

ハニちゃん
と呼ぶのはこれで最後にしましょう。
だいじょぶですよ、元気そう
な顔を見たら少し落ち着きました。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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