プープーの罠
2004年10月13日(水)

Smell Of Hate

だんだん仕事が詰まってきた。

隣の席の人が嫌いだ。
臭うのである。
ワキガ、汗臭い、服が生乾きの臭いがする
そんなある種 不可抗力
仕方がない
ようなものではない。
あらゆるものが発酵し
すえて乾いている臭いがする。

まるで浮浪者。

風呂に入ってないのである。
1日、2日のレベルではない。
夏ほど汗をかくわけでもない冬もまた
とても臭かった。
初めてそれに気がついた時、
前回働いていた頃ですが
システムで分からない
ところがあり質問をした
後ろから私のモニタを覗き込んだ
瞬間に突き刺さるように飛んできた
目を白黒させるくらいの異臭
に本当にびっくりした。

バイオテロかと思った。

席替えで背中合わせになってしまった
時はちょっと嫌だった。
それから1ヶ月もせずに契約が終了
することになっていたので
それくらいはガマンしよう
と思ったものだったが
今回は隣の席になってしまった。

確かに連日泊まり込みで仕事をし、
うちに帰っていないのは十分
分かってはいる
けれど、会社から徒歩数分
のところに仮眠ホテルがある
のだから一休みがてら、シャワーを浴びる
ことだってできるのだし、第一
たまに自宅に帰って出社してきた翌日
だってやはり臭うのだ。
仕方がないわけじゃない
明らかに本人の怠惰が原因である。

ただでさえ 男臭 というか
ホルモン過多な風情、
鉈で粗削りしたような角張ったカオ、
目の周り以外は髭で覆われ
うなじはそのまま背中につながり
手の甲から二の腕のつけ根までイノシシ
のような剛毛がつむじを巻き起こし
ながら生えている。
頭髪は短く刈っているのに
くるくると天然パーマが渦を巻き、
ライスシャワーでも浴びたように白い
粉が惜しみなくデコレーションされ
そして地肌が少し見える。
これはホルモンの影響というよりも
毛穴が詰まって出てこられないカンジだ。

少しでも動く度に空気が濁り、
隣のブースの人は、彼が通る度に涼しい顔のまま
空気清浄スプレーを噴射する。
ま隣でそんなあからさまなことをするわけにはいかない
私はアレルゲンのわからない鼻炎になってしまった。

索引
「プープーの罠」 written by 浅田

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