プープーの罠
2004年06月13日(日)

恋はアンチョビの味

『仕事終わりで新宿にいるんだけど ご飯でもどうですか?』

今日はハニちゃんとごはんを食べに行ったのでした。
ハニちゃんから誘ってくれて
私は浮かれて家を飛び出し

待ち合わせ場所をやり取りする
メールは妙に攻撃的
いざ落ち合えば 完全に人見知り、
目を合わせないどころか
こっちをまったく見やしない。
並んで歩くにも
怯えたように 逃げるように 距離を取る
横断歩道の はし と はし
みたいな。

誘ったのはあなたですよ?
というかんじなのですが、
私はかえって微笑ましい気分になる。

昔のかんじを思い出す。
かつて
"みんな"の中の顔見知り
から
ふたりだけで会う
ようになった時も
彼はこうだった。
自分の意思とは裏腹に
どうしても人見知りして
"会う"だけでイッパイイッパイ
になっちゃうらしい。

ぷらぷらぷらぷらしながら店を探す
"いつも"行き当たりばったり
 ここ一回入ったコトあるね
 ここもあるね
 ここは美味しかったね
 ここは....

一度も入ったことのないお店を選び、
アルコールは無しです
サラダとパスタとピザを半分こして食べる。
食事中は努めて目を見て話してくれました。
慣れた のか 思い出した のか
まぁそんなことはどっちでもいいのですが

彼の人生は私を欠いても正常に進んでいて、
私は私で どこかふっきれている自分 に気付き、

けれど、今だにハニちゃんのこと
考えただけで指先まで痺れる
ような感覚があるのは確かです。

とりあえず深く考えるのはやめよう。
そしたら寂しくなるから。
寂しくなったらきっとまた
私はそれを壊すから。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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