プープーの罠
2003年07月28日(月)

手に届くもの 手が届かないもの

チャリンコに乗っていたら帽子越しに
クルミがぶつかったような衝撃があった。
まさか、と思って帽子を脱ぐと
やはり鳥のフンだった。
鳥ってどうしてこうめげている時に限って
狙いすまして落としてきやがる。

前はハワイでだった。
初めての海外で、どうしようもなくめげたまま
独り心寂しくうろうろしてたら
おでこにデコピンのようにばっちり。
お気楽南の島の青い空の下で、
陽気な鳥のイタズラに遭った
陰気なまっちろい日本人が
死にたくなった。
(下條アトムの声で)


そしてまた何もしなかったわけだけど。

みーこさんに「アイロン貸して」とメールしたら
休日を使って山でリフレッシュ中とのこと。
彼女はいつもせわしなく生きている。
『貧乏ヒマなし』というカテゴライズは
ただのひがみでしかない。
私は『ぐうたら無気力』だ。

風は涼しくて心地いいし
日ざしも強くない。
アイロンかけられないからハロ−ワ−クに行けない。
髪型も決まらない。
やっぱり切るか足すかしないと。
どっちにしてもお金がかかる。
マイナスイオンドライヤーを買いに行こうか。
また浪費だ。収入はないのに。
収入のためにはやっぱりハロワ。
でもハロワに行くにはアイロンかけなきゃ。
じゃあアイロンを買いに行こうか。

そうやって、もはや空想のように日常を腐らせてゆく。
すべてがどうだっていい。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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