うわの空日記


ワルシャワに暮らす主婦ゲラッチの日常です。

2005年04月01日(金) 法王

エイプリルフールですね。
去年書いたポーのエイプリルフールの話はこちら。
ま、今年は法王が大変な事になってるからエイプリルフールどころじゃないんだけどね。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

私がポーに来る前に法王をみるチャンスがあったのは2回。
ニューヨークとエルサレムで。
が、別にカトリックでも無いし興味も無いし、何十万人って人が集まるところにわざわざ出かけなくていいっしょ、って事で1度も観に行った事なし。
道路封鎖も警備も膨大な数の信者も、鬱陶しいなぁくらいにしか思ってなかった。

だいたい法王なんてシンボリックな人でしか無かったしね。功績とかもよう知らんかったし。とりあえずコンドーム使用反対とか、同性愛を認めないとか、女性の聖職者(神父)はダメとか、その辺は納得いかなかったけど。

そんな私でもポーに来て変わったわけですよ。
だってポーで法王を悪く言う人が居ない。法王を悪く言うポー人に1人も会った事無いんだよ!? 凄くない!? どんなに粋がってるお洒落さんも、悪ぶってる不良っぽい人も、みんな悪く言わないの。
しかも言論弾圧とかじゃ無いの。いや、公共電波では弾圧と言うか自粛とか、まぁいろいろあるんだろうけど(どこの国だってあるじゃん?)、でもポーの場合一般人の日常会話の中でも法王を悪く言う人が居ないの。

2003年の法王帰国の時だって百万単位で人が集まってるし。
共産時代に心の支えだったのは分かるけど、共産時代を知らない若者もいっぱい来てるし。
なんつーかね、「愛」を感じるわけですよ。ポー人も法王も。
法王の言葉もさ、「誰かに言わされてる」感も無いし、ホントに心の底から発せられてる(ように聞こえる)んだよ。発言も常に一貫してるし。ポーに来た時だって超嬉しそうだったしさ。感動するよ。

イースターのミサのときもみんな法王の体調について祈ってたしね。
イースターのバチカンで人前に現われて、何か言おうとしながら体がいう事きかなくて発言できなくて、それでも十字を切った法王の姿にも心を打たれたし。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ポーではどのチャンネルも法王の報道一色。
ポー語のニュースじゃ私、理解できないからBBCとCNNとEuro Newsを交互に観てるんだけど、観てるとイラつく。

CNNはみんながなりたてる。「視聴率、頂き〜♪」と言わんばかり。
しかもいつ死ぬかのカウントダウンみたいのばっか。
法王の死がどのタイミングで発表されるかの予想とか、次の法王の決定方法とか、仕方ないのかもしれないけど法王に対する「気遣い」みたいのが全然なし。
わざとらしくアメリカ人の神父(司祭?)が法王に会った時にの話をしてたりして、「自分のおじいちゃんに会った時のような感情でした」とか言ってて更にムカつく私。

BBCはどうやらレポーターの女性がカトリックのようで、バチカンからの放送は法王に対する気遣いを感じる。けどスタジオからのはイマイチ。CNNほどがなりたててはいないけど、やっぱり今後の予想とか、手続き上の問題とか、そんな話が続く。

Euro Newsはスタジオからの放送が無いから、インタビュー、声明、バチカンの広場からの実況中継のみ。CNNと並んでイタリアメディアのフライングニュース(「法王死す!」)を真っ先に流してた。訂正も早かったけど。

ポーのニュースは他の西欧メディアが「意識は無い」と言ってるのを何度も覆す発言。
「法王のベッド脇に立ち会ってる人からの情報」として「まだ意識はあります」との報道。
あとは若かりし頃の映像や、生家付近でのインタビューとかもあって「もう死んでるみたいな扱いだな・・」ともちと思う。
「法王はいつまでも私達の心の中に生き続けます」とかの文字も出て、いやまだ死んで無いし・・みたいな。ま、その後「私達は希望を捨てない」とかも出てたけど。
モチロン教会で祈る人達のインタビューや、ポー人神父の話やらもずっとやってます。

ポーニュースはがなりたてもしないし、レポーターもわざとらしく神妙な顔とかして無いし、観てて一番良い。が、内容が全部理解できないのでたまにチャンネルを変えてるんだけど。(そして気分を害する私とゲラ夫。)

法王の死は悲しむべき事じゃない、ってのはポー人もわかってるんだけどね。でもみんな悲しんでます。
関係ないのに私も悲しい。

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