日本語弁論大会なるものを観に行った。 ポー人の日本学科の学生たちがポズナンやクラクフからやって来ての弁論大会。大雪の中12時から始まるのを1時過ぎから観る。(はは、1時間も遅刻して行っちゃった。)
ポーランドの大学の日本語教育って世界的にももの凄くレベルが高いらしくて、弁論大会に参加してるのは2年生か3年生が大半だったけど、みんなすごく日本語が上手かった。 ま、イントネーションはみんなおかしいんだけどね。 ちなみにポー人と日本語で長時間喋ってるとヘンなイントネーションがうつっちゃって、私ったらかなり怪しい人になります。
弁論大会、なかなか面白かったのが大学ごとの違い。 とある学校は、なめらかなスピーチもさることながら、全員どっしり構えてて姿勢や目線、ちょっとしたゼスチャーに細かい気配りが感じられる。 「何度も何度も練習したんだろうな〜」って印象。姿勢や目線に関しては、日本人のインストラクターがかなり指導してるだろうな、って感じ。 何て言うかね、みんな爽やか好青年、日本人好みの態度なのですよ。
スピーチの内容は学校を問わず面白いのも面白くないのも(失礼)いろいろあったんだけど、スピーチに挑む態度は学校の差が顕著に出てるな〜と思いきや。 ワルシャワ大学の学生はスピーチ自体の指導は受けてないらしい。(スピーチの文章に関しては多少指導を受けてるみたいだけど。) 弁論大会に出るとなったら学校を挙げての指導&スパルタ練習を想像してた私はビックリ。
この弁論大会、100点満点中態度が20点で最後の質疑応答が10点。 質疑応答の比重がやたら少ないのが気になるけど、確実に点を取りに行こうと思ったら「態度」の部分なんて練習でカバーできるんだからその辺頑張ればいいのに、とワルシャワ大学の学生に言ったら 「そういうところが日本人なんだよー!」 と言われた。
彼ら的には丸暗記でスラスラスピーチしてるくせに質疑応答では質問の答えになってなかったり、とっさに答える日本語の文法がボロボロに間違ってたりするのは「日本語」の能力が高くない証拠なんだから、その中でポズナンの生徒の点数が高かったのは納得できない、との事。
いやいや、点数の配分は最初からわかってるんだから合理的に点数を稼げる戦略を練るのは決して悪いことじゃないでしょう。と、答える私に「そもそも配分がおかしい」と納得いかない皆様。
配分に納得いかないのは分かるけど、私が配分設定したわけじゃないし、みんな同じルールの中で競争するんだからもっと「態度」に関して研究してもいいんじゃないの、せっかくスピーチ内容なんかは面白いんだからもったい無いじゃん、と反論してみたけど 「そんな事するのは自分のスタイルじゃない」 と一蹴されてしまった。 「日本語能力」という一点で真っ向から勝負したいんだってさ。セコイ手を使わずに。
ポズナンの学生の堂々としたスピーチは人工的な感じがする、と感想を述べてた日本人も居たので、ワルシャワ大学の学生が言う事も一理あるのかもしれないけど。
ちなみに私の友達は今回の弁論大会で2位だった。自分のスタイルを貫いて2位なんだからなかなか立派なもんですな。おめでとう。
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