指
ふと彼の指を思い出しました。
絡めた指の感触を思い出しました。
1月に彼と再会したとき、どちらからともなく
自然に指は重なり、歩くときも、腰掛けるときも、車の中でも
彼の指を離しませんでした。
右側を歩いても、左側を歩いても彼は手を伸ばし
私の指に触れ、それがとても安心で心地よいのです。
いつも別れ際になると、指を離すのが辛くなります。
握り締めるのではなく、元からのように触れ合っています。
彼の手の甲、手のひらを、私は指でなぞります。
幼かった頃に、眠るとき必需品だった毛布のサテン部分のように。
彼の指に触れていると、心が落ち着くのです。
指先が触れ合うと、他の誰にも感じたことのない
深い深い快感がこみ上げてきます。
彼の指にだけ、その深く暖かな快感を感じるのです。
今夜は彼の指がとても恋しく、いつも触れ合うところが暖かくなっています。
2005年06月01日(水)
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