事情
仕事中に、着信。
気づかないまま部屋に帰った。
電話をくれたのは、息子の幼馴染の母親のNさん。
夕食を取った後、こちらから電話しようと
時間を考えていると、またNさんから先に。
今度帰るときは、必ず連絡してほしいと言われる。
定期的に、仲がよかった母親同士で飲み会をしているそうだ。
いつも10人前後集まり、話題が散らばるので
彼女は誘われても、ほとんど参加していないらしい。
私が帰るなら、その時に合わせて少人数で会いたいと
言ってくれた。
彼女も離婚している。
そして、私と違って、彼女は二人の子供を育てている。
離婚後、どうして私が息子の近くで暮らさなかったか
彼女と話しているうちに思い出した。
仲がよかった人たちで、彼女や私以外に、
離婚したのは2人。
私を含めて3人が、暮らした場所から離れたところへ。
道を歩けば必ず知り合いに会う。
そして、噂好き、詮索好きな誰かの目に留まる。
一緒に暮らせないなら、せめて近くで部屋を探し
仕事を探せばいいと、言ってくれた人もいた。
あの当時を思い出し、ついNさんに泣き言を言ってしまう。
彼女は絶対に詮索しない。
当時も今も、それぞれ事情があるのだからと。
恋人はいるけれど、再婚の意思はないと言う。
彼女の両親は、今後を考えて再婚を勧めるらしい。
それでも彼女は、二度と再婚しないつもり。
子供には頼らない、彼らの人生は彼らのものだから。
じゃあ、老後は共同生活しようか?
いつしか、こんな話題で盛り上がっていた。
2005年05月10日(火)
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