手作り
駅前のコーヒー店まで、息子は迎えに来てくれた。
それまで一緒にいた友達を見送り、二人で夕食。
部屋に着くと、PCを持ち出し、よくわからないと
ピンボールゲームをしだした。
ほとんど何も入っていないPCは楽しくないだろう。
そう思って、ドローソフトを持ってきてよかった。
息子の車には、友達とデザインしたマークがあった。
ソフトの使い方を簡単に説明すると、夢中になって
作り始めた。
マウスでまっすぐに線を引くなんて、私にはできない。
何度も書き直し、ツールを探し、私が知らなかった
ものを活用しだした。
PCの壁紙と、ケータイの待ち受け画像。
数点づつ作り終わったときは、3時間経過していた。
ソフトに入っているフォントで文字を書かず
マウスで書き出したときは驚いた。
やっぱり手書きが一番でしょ。
どこにそんな才能があったんだろう。
私の知らない息子がいた。
妹のことを聞いた。
息子は妹と連絡を取り合っていた。
今も習い事に通い、絵を描いているそうだ。
私にはない創造性は、妹と息子に。
嬉しくて、まぶしかった。
部屋に着くと何も言わずお茶を淹れてくれ、
PCで遊んだ後は、また無言で布団を敷いてくれた。
友達と話しながら歩いているたとき
息子は前を歩いていた。
友達に今度はいつ帰ってくるかと聞かれたとき
息子の耳には、「今度」が聞こえなかった。
帰省ではなく、東京から戻ると勘違いさせてしまった。
違うよ、今度はってことと軽く答えたけど、
ごめんなさいが言えなかった。
がっかりした表情を見なかったことにできない。
母の日だと、彼女と一緒に手作りしたプレゼントを
もらった。
押し花とレースとリボンのコラージュが
フレームに入っていた。
モノを作ること、本当に好きになったんだね。
息子の作った画像を、ケータイの待ち受けにし
二人が作ったコラージュを写真にとって
これは、サブ画面の待ち受けにしたよ。
帰りたい、帰りたい。
いつか必ず。
2005年05月08日(日)
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