息子から
生きてた、よかった・・・
さっさと電話すればいいのにできなかった。
あいつらの試合が、近くであるんやけど
見に行かへんか?
えっ、ほんまに。見に行きたーい。
息子と一緒に観戦したのは、たった一度きり。
いつも試合に出ている息子を見に行っていた。
大きくなるにつれ、見に来なくていいと言うようになった。
離婚して数ヵ月後、私の暮らす近くでの公式戦は
どしゃぶりの雨の中だった。
どうしても時間までに行くことができなかった。
私がいると、誰かに何か言われるかもしれない。
私自身、何かを言われるかもしれない。
試合開始後30分経ち、やっと行くことにした。
少し離れた場所から、誰にも気づかれないように
見るつもりだったのに、すぐに他の親に見つかり
○はずっと探してたよ
仲がよかった人に、息子が私を探していたことを聞いた。
息子たちの集まっているところへは、近づけなかった。
それまでも、親が近づくのを、監督が嫌がっていた。
息子の顔を見つめても、こちらを見ようとしなかった。
通路ですれ違うときに、たった一言だけ声をかけた。
それから後は、久しぶりだからと他の親と一緒に
食事に行った。
遠い記憶が蘇る。
観客席に腰掛けて、同じ試合を並んで見られるよう
になるとは思わなかった。
ありがとう。
誘ってくれて嬉しいよ。
2005年04月27日(水)
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