しとしとと小雨降る一日。気温は朝から変わらず肌寒い。
催花雨となったのかやっと桜がぽつぽつと咲き始めた。
しかし殆どの桜がまだ蕾のままで待ち遠しくてならない。
平田町の桜並木には地元の人達が提灯をぶらさげ
お花見の準備をしているが肝心の桜は全く咲いていなかった。
地元の人達も毎年のお花見を楽しみにしているのだろう。
山桜もしかりで四万十川の対岸の山もひっそりと佇んでいる。
大きな山桜の木があり毎年空に向かって咲くのだったが
例年通りとはいかないのがもどかしくてならない。
テレビの桜情報よると東京はもう七分咲なのだそうだ。
寒暖差の激しい地域ほど早く咲くことを初めて知る。
いくら開花が早くても満開にならないのはそのせいであろう。
山里も寒暖差の激しい土地だが例外としか思えない。
染井吉野よりも早く咲く大島桜もまだ蕾のままであった。

雨のため義父も「晴耕雨読」かと思いきや
早朝から田んぼを耕しに行ったようでもぬけの殻である。
昨年キャビン付きの中古トラクターを買ったのだが
雨が降ろうと槍が降ろうとお構いなしのようである。
面白くてたまらない様子でお昼前に一度帰って来たが
昼食を済ますとまた上機嫌で出掛けて行った。
午後は事務仕事も一段落しており整形外科のリハビリに向かう。
リハビリ前の医師との面談で足踏みをして見せたら
「油断するなよ」と注意される。調子に乗ってはいけない。
とにかく慎重に行動しなければと肝に命じた。
リハビリでは療法士のU君が足の裏まで揉んでくれる。
それが何とも心地よく思わず声が出てしまった。
会話も弾み幸せいっぱいの気持ちで帰路に就く。
4時半過ぎに帰宅したら夫が「暴れん坊将軍」を見ていた。
10分でもと思いささやかにお付き合いをする。
今朝はお小遣いが空っぽになったと云っていたのに
すっかり渡し忘れていたことを詫びた。
雨だったので一歩も外に出なかったらしく明日で良いとのこと。
以前は喫茶店に行くことが多かったがすっかり出不精になった。
お小遣いも月に3千円で足りる。まるで百円亭主である。
夕食後お風呂に入りながらふっと不安になった。
もうヒートショックの心配はないと思うが
湯船に浸かっていると気が遠くなるのを感じる。
このまま死んでしまうのではと思わずにいられない。
先日も山里で入浴中に亡くなった人がいた。
まだ42歳の若さで何とも痛ましいことである。
子に先立たれたご両親の気持ちを思うと胸が張り裂けそうだった。
いくら若くても死ぬ時は死ぬのだ。
高齢ならば尚更のこと死ほど身近なことがあるだろうか。
浴室から無事に出ると一気に安堵する。
洗った髪を乾かし顔に栄養クリームを塗る。
左足には湿布を2枚張りふくらはぎに塗り薬を塗る。
右足の爪は水虫になっておりその治療薬も塗った。
それから血圧を測る。141でまずまず落ち着いている。
台所に行けば娘が独りぼっちで夕食を食べていた。
会話は一切しない。声を掛けないのがルールである。
焼酎の水割りと氷結を抱え二階の自室に籠るのが日課であった。
だからこそこの日記も書けるのだろう。
雨はまだ止まない。雨だれの音がまるで「いのち」のように響いている。
※以下今朝の詩
早苗
雨を見ている 真っ直ぐな雨 その素直さが 健気でならない
農夫は雨を待っていた 稲苗の準備はととのい 後は田に水を張るだけ 川の水はそう多くはなく 水不足を嘆いていたのだ
いちめんの早苗が目に浮かぶ 捕らぬ狸の皮算用も忙しい どうか高値で売れますように 美味しいお米が出来ますように
八十路のからだにムチを打つ 腰は痛み膝はがくがくと鳴る それでも「やらんといかん」 まるで命がけの勝負であった
空に願いが届くだろうか 雨は助けてくれるだろうか
農夫は雨を見ていた その健気さに勇気が湧いて来る きっと報われるだろう 早苗は若い緑の希望であった
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