穏やかな晴天。風もなくぽかぽかと暖かい。
歩けるものなら土手を進みお大師堂に初詣をしたかったが
思うだけで叶わないことを改めて思い知る。
今年もずるずると押し流されてしまうのだろうか。
老いも重なり行動力は皆無に等しい。
お昼前に息子とけい君が来てくれた。
会うのは夏以来だろうかけい君の背が随分と高くなっており驚く。
この春にはもう6年生になるのだ。なんだか信じられなかった。
息子が夜勤の夜には独りで留守番をしているのだそうだ。
母親に頼ることもなくなり逞しく成長したことを感じる。
お昼にはささやかに新年会を催した。
家族揃ってのことは滅多に無く笑顔でいっぱいになる。
めいちゃんは大晦日から娘婿の実家に泊まりに行っており留守だったが
あやちゃんが「やったあ」と声を上げその心境を察する。
日頃から引け目を感じていて思わず本音が出たのだろう。
幼い頃から大の仲良し姉妹だったが随分と遠い日になってしまった。
誰とも遊びたがらないあやちゃんであったがけい君とはよく気か合う。
今日も部屋へ招き入れ肩を寄せ合ってゲームをしていた。
息子は上機嫌で酔っぱらっており早々とマンションへ送り届ける。
けい君はお年玉を数えるのに必死でそれも微笑ましいことだった。
息子は明日から仕事なのだそうだ。どうか今年も平穏にと願う。
離れて暮らしていても子供はいつまでも「こども」である。
新しい年を無事に迎えることが出来て安堵でいっぱいだった。
いつ何があるやら分からない世の中である。
一年前の能登の震災の悲劇を思い出さずにはいられなかった。
復興どころか復旧もまだ遅れているのだそうだ。
避難所で新年を迎えた人も多くその心境を察する。
失ったものは二度と返って来ない。喪失ほどの悲しみがあるだろうか。
どうか少しでも希望をと願わずにはいられなかった。
初春 一歩目の朝 新月の暗闇を飛ぶ
星はいっそう輝き 天を祝福している
哀しみの幕は下り 歓喜の幕が上がる
ここから始まる 新しい朝なのだ
心の息は絶えず 命を知らせてくれる その尊さが愛しい
春なのに違いない 芽吹く日がやって来る どれほどの老いでも 花と咲く日が来るだろう
陽が昇れば光に満ちて 真っ青な空を飛ぼう
今年最初の今朝の詩である。
命ある限りどうか書かせて欲しいと願って止まない。
|