朝の寒さは日毎に強まっているようだが日中はずいぶんと暖かい。
今日は特に風がなかったのでぽかぽかの小春日和になった。
国道沿いの皇帝ダリアのなんと逞しいことだろう。
車が停められたら写真を撮ってみたいのだが
交通量の多い朝のことで他人様に迷惑をかけるだろう。
四万十川と国道の間にある小さな畑の片隅である。
朝陽が川面に光り皇帝ダリアもきらきらと輝いているのだった。
おそらくすぐ近くの民家の畑なのだろう。
育ち始めた冬野菜と皇帝ダリアはとても相性が良さそうだ。
写真を撮らなくなってずいぶんと経った。
目がそのままシャッターならどんなに良いだろうかと思う。
朝一で車検の車を引き取りに行く。
もう80歳が近い高齢のお客さんだった。
息子さんも長い付き合いで私のパソコンの師匠でもある。
四万十市内の電器店に勤めていたが今年の春に閉店となってしまった。
次の勤め先も決まらないままの理不尽な解雇だったらしい。
ハローワークに行っても特技を活かせる仕事が見つからず
悩みに悩んだ挙句とうとう精神を病んでしまったのだそうだ。
母親であるお客さんから相談を受けたが何の手立てもなかった。
とにかくゆっくりと休ませてあげることが一番に思える。
明るく朗らかな青年だっただけに残念でならない。
仕事さえ見つかれば気力も湧いてくるかもしれないが
全く畑違いの仕事に就くのも憐れに思えるのだった。
2時過ぎには車検が完了し同僚と納車に行く。
庭の小菊が満開になっており陽射しを浴びていた。
息子さんには会えなかったがどうかどうかと手を合わす。
きっと光が射す日が来るだろうと信じたくてならなかった。
3時前に退社し帰り道のお客さんに車検証を届けに行く。
車が見当たらず何処かに出掛けているようだったが
玄関が開いていたので下駄箱の上に置いて来た。
ボックスティッシュとかぼすジュースを添える。
お孫さんのベビーカーが置いてあり何とも微笑ましい。
買い物を済ませ4時に帰宅したら夫が心配顔で「めいがまだ帰らん」と。
水曜日は短縮授業なので下校時間がいつもより早いのだ。
校庭で一輪車の練習をしているかもしれないと思い見に行こうとしたら
お向かいのご主人に会って今日は通常通りの授業なのだそうだ。
お向かいのせりちゃんとは仲良しでいつも一緒に帰って来る。
「もうそろそろ帰ってくるよ」と言ってくれてほっとした。
娘が帰宅してから話したら娘もすっかり忘れていたそうだ。
「そう云えばそんなこと言いよった」と母親とは思えないセリフである。
けれども何事もなかったのだから良しとしよう。
めいちゃんは「ニラのナムル」が大好物で一人で全部平らげる。
流し台の前で並んだらずいぶんと背が高くなっており驚いた。
来春にはもう5年生なのだ。信じられない程の成長である。
泣き虫でかん虫で甘えん坊のめいちゃんであったが
両親の期待を一気に引き受けているように感じる。
最近あやちゃんと一緒に夕食を食べなくなった。
子供心に気を遣っているのだろう。
その健気な姿にほろりとせずにはいられない。
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