秋晴れの朝であったが次第に雲が広がり午後には雨が降り始める。
台風の影響ではなく秋雨前線が停滞しているのだそうだ。
残念ながら能登の被災地も雨になってしまった。
どうか再び豪雨にならないことを祈るばかりである。
彼岸花が盛りを過ぎたのだろう少しずつ枯れ始めている。
白い花は糸のようになり項垂れているが
紅い花は何とも憐れでまるで幽霊のようにも見える。
紫陽花もそうだったが散れない花の最後は悲哀に満ちていた。
「死人花」とも呼ばれている彼岸花はまさに「死」である。
やがては茎も跡形もなく消えてしまうのだが毒を持つ根は残るのだった。
決して死んでしまうわけではないが「死」を連想せずにはいられない。
今朝は緊急事態発生。義父が体調を崩し寝込んでしまっていた。
食当たりかもしれないが昨夜から激しい嘔吐とのこと。
病院へ連れて行こうとしたが嫌がりしばらく様子を見ることにする。
夏の間の疲労で胃が弱っているのかもしれなかった。
今日も仕事が立て込んでおり義父の代理で外注先へ向かう。
例の新しい運搬車の修理を依頼してあったのだが
臨時ナンバーを付けっぱなしにしており返却を迫られていた。
とにかくナンバーだけでもと思い出向いたのだが
もう修理が完了しているとのこと。車も引き取らなければならない。
会社まで戻り義父に相談したら「何としても行く」と言い出す。
無理をさせたくはなかったが胃薬を飲ませお昼まで様子を見ていた。
すると「あの胃薬はよう効くのう」となり吐き気が治まったようだ。
早速また二人で外注先へと走る。これでやっと一件落着となった。
会社へ戻り着くなり義父がナンバーを外してくれて
私は宿毛市役所へと急いだ。お咎めを受けるのではとはらはらである。
宿毛市役所は新庁舎となってから初めて行ったのだが
ロビーのなんと広いことだろう。杖を付きながらキョロキョロしていたら
親切そうな男性職員が駆け寄って来てくれて係まで案内してくれた。
昨日の四万十市役所でもそうだったが「杖」の力は偉大である。
優しく親切にしてもらい頭が下がる思いであった。
係の女性職員も笑顔でお咎めもなくなんとほっとしたことだろう。
会社へ戻り着くともう3時前になっていたが義父が車検をしてくれていた。
私だけ退社するわけにも行かず車検書類の準備を整える。
義父のおかげで2台の車検が完了し思いがけずに嬉しかった。
今朝の様子では今日は無理だと思っていたから大きな安堵である。
やっと4時に退社。朝からなんと目まぐるしかったことだろう。
疲れはあったがそれよりも達成感の方が勝っていた。
仕事をしていると「順調」こそが支えになる。
トラブルがあれば忽ち窮地に立たされるのだ。
誰一人倒れてはならない。今日ほどそう思った日はなかった。
この私だってまだ死ぬわけにはいかない。
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