ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2024年08月16日(金) 炎の影に

夜明け前には秋の虫の声が聞こえるようになったが

日中は今日も厳しい残暑となった。

江川崎よりも気温が高くなり全国二位となる。

ほぼ40℃に近い猛烈な暑さである


山里はやはり稲刈りで大変な忙しさであった。

義父の友人が三人も手伝いに来てくれていて大助かりである。

皆それぞれに仕事があるだろうになんと申し訳ないことだろう。

今年は天候に恵まれ大豊作とのこと。苦労の甲斐があったようだ。


私と同僚は工場を守るのに精一杯だった。

お盆明けを待ち兼ねていたように来客が押し寄せて来る。

しかし残念ながらエアコン修理はお断りするしかない。

稲刈りが一段落するまではどうしようも出来ないのだ。

田舎の小さな車検場だからこそまかり通るのだろう。


事務仕事が一段落してから母の祭壇を片付けていた。

お供え物の果物等は直ぐに食べないと傷んでしまう。

我が家へ持ち帰ることにしたが林檎はすでに傷んでいた。

わずか数日のことなのになんとも切ないものだ。


母が未練を残さぬように送り火を焚かねばならなかったが

風が思いのほか強く上手く焚けない。

そもそも中腰で座ることが出来なかった。

仕方なく膝を付いて這うようにしながら火を点ける。

けれども強い風に煽られ直ぐに消えてしまうのだった。

日陰ではあったが汗が滝のように流れとうとう諦めてしまった。

松の枝は持ち帰ることにして我が家で送り火を焚くことにする。


昨夜も母の夢を見たのだった。それもリアルな夢であり

お金が無くなってしまった母が万引きをしたのだった。

卵一ケースでも立派な犯罪である。

弁償しなければ帰るに帰れないと言うので親身にならざるを得ない。

母の財布には5百円玉が4個入っていた。

卵は買えたはずなのにどうして万引きなどしたのだろうと思う。


弁償を済ませたら母は牛ではなく馬を引き連れていた。

追いやるつもりなどないのに急いで帰るつもりだったのだろう。

決して迷惑ではなかったのに遠慮していたのかもしれない。


送り火は大きな炎となり燃えたぎった。

母が迷わずあの世に帰れるようにと手を合わす。

そうしてまた来年帰って来てねと声を掛けた。


母と過ごしたお盆が終わった。

母はずっと私の傍に居てくれたのだ。



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