連日の猛暑日。焼けつくような強い陽射しだった。
七月は尽き「立秋」まで後7日である。
厳しい残暑は覚悟しているがせめて朝晩の涼しさがあればと願う。
SNSを通じて知り合った友人の命日だった。
一年が経つのがなんと早かったことだろう。
未だに生きているような気がしてならない。
気さくで優しい人だった。そのぬくもりが愛しい。
ひとはどうしようもなく死んでしまう。
たとえ定命だとしてもあまりにも残酷である。
残されたご家族の気持ちを思うと胸が張り裂けそうだった。
夜明けまえに「日にち薬」の詩を書いた。
ご家族に伝わればと思ったのだがどうやら駄目だったようだ。
今日も薬。明日も薬である。永遠に癒されない哀しみなどないのだと思う。
月末の仕事を無事に終えたが今日も怒涛の忙しさだった。
軽く眩暈がしてそのまま倒れてしまいそうになる。
幸いお昼に10分程休むことが出来る。
義父は今日も昼食を摂れない。後から後から仕事があるのだった。
同僚も汗だくである。見ているだけで気の毒でならなかった。
4時半に退社。すっかり遅くなり買い物を諦める。
帰り際に「ほか弁」を注文しそのまま受け取りに行っていた。
5時20分に帰宅。お素麺を湯がこうと大鍋でお湯を沸かす。
お湯が沸くまでに大量の洗濯物を畳み終えた。
少しでも横になりたかったがとてもそんな余裕はなかった。
いくら私の帰宅が遅くても夫はいつも通りである。
5時半にはビールを飲み始めるので苛々としてしまう。
お素麺をすする口元がぞっとするほど気持ちが悪い。
夫には本当に申し訳ないが生理的に受け付けられないのだった。
いったいいつからそうなってしまったのだろう。
老いだけのせいではないと思うのだが理由が見つけられなかった。
夕食後は疲れがピークに達していたが
沈む夕陽をぼんやりと眺めているとふうっと短歌が浮かんでくる。
「文月の尽きて夕陽が沈む頃ほおずき色の記憶が暮れる」
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