ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2024年07月24日(水) 3匹の鰻

曇りの予報が外れ今日も晴天となる。

気温は猛暑日に届かず過ごし易い一日だった。

関東は猛暑。北海道は大雨。沖縄は台風である。

日本は小さな島国だが気候の差は著しいものだ。


ここ数日のうちに稲穂が黄金色に近くなった。

高知平野では既に稲刈りが始まっているらしいが

山里は来月の中旬頃になるようだ。

また義父がどんなにか忙しくなるだろう。

畔の草刈りは一段落したようだが消毒に追われている。

無農薬のお米は商品価値がないのだそうだ。

「いもち病」は一ヵ所で発生するとどんどん広がって行くらしい。



今日はエアコン修理があり工場の仕事に専念してくれ大助かりだった。

長いことお客さんを待たせていたのでもう限界になっていたのだ。

「俺がやらんで誰がやる」と思ったのだろう。

作業を始めると昼食を摂る時間も惜しむ程精を出すのだった。

その技術を同僚に伝授してくれたらと思うが

「無理だ」の一言で済ませてしまう優秀な熟練工である。


私は車検完了の車を納車に行っていた。

予約なしで入庫していたのでなんと6日も待たせてしまった。

お客さんは代車で辛抱してくれたがどんなにか不便だったことだろう。

お詫びの印しに粗品のティッシュとリポビタンを持って行く。

そうしたら大喜びしてくれて私もほっと肩の荷が下りた。

商売人が一番恐れるのは苦情である。

ご機嫌取りではないが如何に誠意を示すかで決まって来る。

そうしてリピーターになって貰ってこその商売なのだ。





2時半に退社。その足で税理士事務所へと向かう。

決算書が出来上がり税理士報酬も支払って来た。

今年から大幅値上げで苦しかったが止む終えないことだ。

累積赤字が大きいが今期は黒字だったようでほっとする。

後何期続くのやら。もしかしたら今期が最後かもしれない。


さて夕飯は何にしようと考えながらサニーマートへ行ったら

店頭で鰻を焼いており今日が丑の日なのを思い出した。

一匹3200円と高価ではあったが奮発して3匹買う。

一年に一度のことだ。家族皆の喜ぶ顔が見たかった。


今は養殖ウナギがメインであるが昔は天然鰻がいくらでも食べられた。

夫は川漁師の息子なのでもちろんであるが

私も子供の頃から夏場は毎日のように食べていたのだった。


学校から帰ると母が七輪で鰻を焼いていた。

買ったのではない母が自ら獲った鰻である。

母は地元の人に教わって「ころばし漁」をしていたのだった。

竹で編んだ筒に餌のミミズを入れて川に仕掛けるのである。

それが毎日のように大漁だったから面白くてならなかったのだろう。

母は誰に習ったのか鰻を捌くのも上手だった。

にょろにょろしているのを錐でえいやっと頭を突くのだった。

包丁捌きも見事で子供心に「すごいな」と感心したことを憶えている。


母も食べたいだろうなと思いつつ鰻を頂く。

3匹の鰻は一口大に切りお皿に盛り付けてあった。

夫が遠慮して「4切れは食べてもええかな」と言う。

「ええろう」と言いつつ私も4切れの鰻を食べた。

夫と顔を見合わせながら明日からは雑魚と味噌だなと笑い合う。


6匹の鰻がどうして買えよう。

貧乏人には相応しいそれなりの食がある。

一切れの鰻でさえ食べられない人がいることを忘れてはならない。


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anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

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