2024年06月02日(日) |
ゆらゆら茶屋の日が暮れて |
晴れ時々曇り。夏日ではあったが風があり暑さが和らぐ。
燕の一番子が巣立つ頃だが残念ながら我が家は全滅となる。
昨年もそうだったがやはり蛇の仕業ではないだろうか。
つい先日まで可愛らしい雛が顔を出していたのだが
ある日忽然と姿を消してしまった。親鳥ももう寄り付かない。
古巣は壊れかけていて成す術もなかった。
自然界の厳しさを思い知らされるが助けてやることも出来ないのだ。
夫と相談してしばらくしたら古巣を取り除くことにした。
来年は来年のこと。きっと新しい巣を作ることだろう。
今朝もあやちゃんが部屋に入って来てくれる。
昨夜からずっと考えていたのだろう真剣な顔をしていた。
「おばあちゃんやっぱこのままじゃやばいよ」と言う。
SNSとこの日記のことであった。
ペンネームであったが本名も公開している。
日記のリンクも貼ってありその気になれば誰でも閲覧出来るのだ。
あやちゃんは個人情報を危惧しており不安でならないのだろう。
さすがに「もうやめて」とは言わなかったが
「おばあちゃんがどこの誰なのかわかるじゃんか」と声を震わせていた。
それは同時に家族皆をネット上にさらすことに等しいのだ。
しばらく差し向かいで話し合った。
とても12歳の少女とは思えないしっかりとした考えを持っている。
SNSでは匿名の人がそれはたくさん居るけれど
堂々と本名やペンネームを名乗っている人もけっこう多いのだ。
おばあちゃんのペンネームは若い頃からのもので
今更それを匿名に変えるつもりがないことを話す。
あやちゃんは素直に頷きながら聞いてくれた。
「うん、わかった」と言い残して部屋を出て行ったが
それから私は私なりに思案を巡らせていたのだった。
結論としてSNSは今のまま続けたくてならない。
しかし今日を限りにこの日記へのリンクを外すことに決めた。
今ならまだ間に合う。最低限の閲覧数を維持することが出来る。
これまで欲深く一人でも多くの人に読んでもらいたいと願っていたが
それが大きな間違いであることに気づいたのだ。
昨夜もここに記したが信頼関係があってこそのことである。
そうでなければどうしてありのままの日々を記すことが出来るだろう。
22年間も書き続けて来たのだ。いつかは最後の日が来るけれど
生きて在る限り書き続けられる私でありたいと強く願っている。
四万十川のほとりの「ゆらゆら茶屋」であった。
お客様はみな常連さんばかりで和気あいあいとしている。
それこそが私が望んでいた場所なのに違いない。
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