最高気温が23℃。夏日でこそなかったが初夏のような陽気となる。
山里では田植えが始まる。義父は夜が明けるなり準備をしていたようだ。
懇意にしている知人達が3人も手伝いに来てくれて大助かりだった。
農繁期にはいつも思うことだけれど私は何も手伝うことが出来ない。
同僚とふたりで工場を守ることだけを使命のように思っている。
義父も二足の草鞋を履いたからには工場の仕事もせねばならず
先日は深夜まで整備の仕事に励んでいたのだそうだ。
とにかく田植えが終わるまでは緊張感が治まることはない。
無事に終われば義父の寛いだ顔を見ることが出来るだろう。
緊張感を和らげるためには喫煙が有効であると思うのだが
医師などから言わせたらそれは馬鹿げたことなのだろう。
吸えば吸うほどストレスになると言った医師の言葉が蘇る。
確かに吸ってしまうから吸えない時のダメージが大きいのだ。
わずかひと月の間であったが禁煙出来ていた時のことを思い出す。
もう吸わなくて良いのだと思うと解放感でいっぱいになっていた。
「出来た」達成感で満たされていたようにも思う。
あれはほんとうに私だったのかと今では信じられなくなった。
昨夜の娘の仕打ち?がショックでならず未だに尾を引いている。
「あんまりことだ」と娘は言ったのだ。
「二度とこんなことをしたらおじいに言うけんね」とまで言った。
そこまで言われてどうして吸殻を探し求めねばならないのだろう。
悔しさもあるけれどこれほどまでに惨めなことはなかった。
女に意地があるように子豚にだって意地はある。
娘の吸殻に火を点けることは二度とないだろう。
求めないこと期待しないこと。それが子豚の信念であるが
職場にはドラえもんが居て「いつでもドア」を準備している。
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