春分の日。彼岸の中日は雨となり今も降り続いている。
春分とは太陽が真東から昇り真西に沈む日を言い
昼と夜の長さが同じになるのだそうだ。
生憎の雨であまり実感が湧かなかったのが残念である。
「桜雨」という言葉もあるがまだぽつぽつの桜で
今日のような雨に相応しいのかよく分からない。
迂闊なことを言わないほうが無難なのだろう。
お彼岸と云えばお墓参りであるが今年は疎かにしてしまった。
雨のせいもあるが夫や義妹があまり気が進まないようで
来月の姑の命日に行くことに決めた。それで良いのだろうか。
今日はあやちゃんのピアノ発表会があった。
「来ないで」とずっと言われていたので諦めかけていたが
昨夜になりお許しをもらってとても楽しみにしていたのだけれど
出掛ける寸前になってドタキャンとなってしまった。
当のあやちゃんが「行きたくない」と言って泣くのだった。
困り果てた娘までもが泣きだしてしまって最悪の事態となる。
少女期の難しい年頃のことでここに詳しく書くことは控えたいが
まるで腫れ物に触るような出来事であった。
さて子豚はどうしていたのだろう。
もう誰も聞きたくはないだろうけれど覚書として記しておこう。
結果から云えば昨夜の誓いは嘘っぱちだったことになる。
自分の意志の弱さをこれほど思い知らせられたことはない。
娘の加熱式煙草の吸殻はもはや煙草ではないと思えば救われるが
まるで藁にも縋るような思いでそれを吸う行為は許し難い。
すでにニコチンもタールも燃え尽きていてただの「藁」なのだろう。
焦げ臭いだけで酷く不味いがそれでも吸わずにはいられなかった。
やはり狂っているとしか思えない。もう手の施しようがない。
子豚もやがて「腫れ物」になるのだろうか。
誰かがそっと触れてくれるのだろうか。
|