戻り梅雨と聞いて幾日目だろう。今日も夏空は見られず。
それでも稲穂は日に日に色づき微かに頭を垂れている。
逞しいものだなと思う。人もそうでありたいものだ。
私はなんとなく負の感情が勝りすくっと顔を上げられずにいる。
ついつい悪いことばかり考えてしまう。これも短所なのだろう。
それから少し涙もろくもなってしまった。
特に優しい言葉に弱い。すぐに目頭が熱くなってしまうのだった。
時にはそっとしてほしいと願う。誰とも関わりたくないとさえ思う。
今さら楽天家にはなれはしない。あっけらかんと生きるのは難しい。
仕事を終えていつもの病院へお薬を処方して貰いに行ったら
受付の職員さんに「来月は診察を受けて下さいね」と言われた。
それが威圧的に感じ少しむっとする。思わず「嫌です」と応えたら
「そう云う訳にはいきませんよ」と睨み付けるので余計にむっとする。
「じゃあ考えておきます」と言って逃げるように薬局に向かった。
元々の主治医は人気者で予約制になっており私などは時間の余裕がない。
仕方なく若手の医師のお世話になり始めてから数年が経った。
心療内科は専門外なのかいつだったか私を泣かせたこともある。
その時は何があっても自己責任ですよと言って私を追い詰めたのだった。
もう二度と話したくないと思った。その気持ちは今でも変わらない。
その医師と向き合わなければいけないのが大きなストレスとなっている。
じいちゃん(夫)に相談したらとにかく余計なことを話さないこと。
「お変わりないですか?」と訊かれたら「はい」と応えれば良いと。
ふつふつと胸に込み上げて来ている灰汁のようなものは
行き場を失いまた延々と巣くい続けることだろう。
あれこれと考えても仕方のないことなのだ。
勇気とは少し違うかもしれないけれど来月は診察を受けようと思う。
そう決めると少しこころが楽になったような気がする。
何事も当たって砕けろなのかもしれない。
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