2019年11月29日(金) |
最後があるから始まりもある |
予報通り今季一番の冷え込みとなる。
おそるおそる窓を開けてみたら満天の星。
寒空をよそに星たちのなんとあたたかいことだろう。
おかげで寒さを忘れてしばし空を仰いでいた。
昨夜遅くに母がお世話になっている看護師さんから電話があり
母が腰の痛みを訴えているとのこと。寝違えたのかもしれないと。
深夜の事でどうすることも出来ず朝まで様子を見ることに。
痛みが少しでも和らぐようにと湿布を貼ってくれたようだ。
今朝は通勤路を変え出勤途中に母の様子を見に行く。
良かった。昨夜よりも痛みが少し和らいでいるようだった。
母も「だいじょうぶ」と言って精一杯に笑顔を見せてくれる。
月末の仕事があり後ろ髪を引かれつつも職場に向かった朝のこと。
午前中に月末の支払いを済ませ今月もなんとか乗り越えた。
お昼休みを利用して義父と母のアパートへ向かう。
部屋は義父のおかげですっかり片づいていたのだけれど
駐車場にバッテリーの上がった母の車が残されていた。
それもエンジンがかかるようにして最後の片づけとなる。
大家さんに部屋の鍵を渡し長い間お世話になったお礼を。
とうとう最後の日だった。胸に熱いものが込み上げてくる。
義父も「なんだかさびしいなあ」と呟いていた。
長年母が暮らした痕跡はもうどこにも残っていないのだ。
私と義父とで見届けた最後の日。母には決して見せたくなかった。
午後少し残り仕事を済ませているうちに遅くなり
母の様子を見に行けないまま帰路につく。
看護師さんに電話したら今のところ落ち着いているとのこと
昼食もみんなと一緒に食堂で食べられたそうだ。
看護師さん、ヘルパーさんのおかげで安心していられる。
もし独り暮らしだったらまた大変なことになっていただろう。
夕焼け空がきれい。母の部屋からもきっと見えたことだろう。
|