曇り日。時折ぽつぽつと雨が落ちる。
高知県内では豪雨になった場所もあるようで心配なこと。
午前7時には投票所が開いたので投票を済ませ病院へ。
あまりに早く着いたのでじいちゃんがびっくりしていた。
その顔を見てほっと安堵の笑みがこぼれる。
昨日までの顔の腫れがずいぶんと治まっていた。
まるで奇跡のよう。良かったねえと微笑み合う。
朝食が運ばれて来てお粥さんだったけれど
海苔の佃煮が付いていた。「四万十川の青さ海苔」と
私がおどけて言うと「そうだな」とうなずくじいちゃん。
一口どころかお茶碗の半分ほどをぺろりと平らげる。
術後にこんなに食べられたのは初めてでとても嬉しかった。
様子を見に来てくれた看護師さんも拍手をするほど。
「久しぶりにうんちが出るかも」みんなで笑い合った。
その後の回診でおしっこの管を外してみることに。
寝たきり状態だったけれど今日からトイレへ行く練習だ。
個室なのでトイレが近い。大丈夫、きっと行ける。
昼食はリクエスト通りのお素麺だった。
おかずには一切手を付けないけれどお素麺は食べる。
完食ではなかったけれど半分以上を食べられた。
「やったね。もううんち間違いなしやね」
その前におしっこになった。ナースコールをするように言われていたので
「恥ずかしいけど呼ぶか」と。看護師さんがすぐに来てくれる。
おそるおそるベットから下りた。一歩一歩ゆっくりと歩く。
でも立ったままのおしっこはまだ無理で便座に座って用を足す。
ちょろちょろとおしっこの音。その後大きなおならの音。
出ました。なんと5日ぶりのうんちが出ました。
看護師さんと顔を見合わせて大喜びした午後のこと。
誰よりも喜んだのはもちろんじいちゃんだった。
たかがうんちと思うでしょうが運がついて来たのです。
それが快復の一歩に思えて目の前がとても明るくなった。
まだまだ先は見えないけれど見ようとすることは出来る。
思い悩むよりも希望を持たなければいけない。
今日はうんちの神様に会えたのだもの。
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