曇り日。気温も低目で半袖では肌寒いほどだった。 こんなふうに秋は一気に押し寄せて来るものだろうか。 なんだかふっと夏の忘れ物をさがしている自分がいた。
しばらくの間お休みをいただいていた山里の職場へ行く。 昨夜の夢に見たのはたくさんの仕事のやま。 それが正夢になって今日はとても忙しかった。
私がいなくても大丈夫といつも言っている母だったけれど、 話し相手が欲しかったのだろうか、堰を切ったように話し出す。 相槌を打ちながら仕事をこなす。それもまた微笑ましいひとこま。
職場の庭には「紫式部」の実がこぼれんばかりに鮮やかだった。 母も私も好きな木。ちいさな紫色の実がとても愛しい。
そうして白い彼岸花。今年もちゃんと咲いてくれて嬉しかった。 いつのまにか秋。そっと見守ってあげたいような秋がそこにある。
ありがとうねと言えばありがとうねと応えてくれる。
母の笑顔に見送られて家路に着いた。
山里はいつだって私のふるさとなのだなとおもう。
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