心地よいほどの夏空もつかの間だった。 今日はまた雨が降ったりやんだりの天気になる。 雨がやむのを待っていたかのようにつくつくぼうしが鳴き始める。 ほんの少し元気がなくて何かを訴えているようにも聞こえるのだった。
ながいことお盆休みをいただいて一週間ぶりの山里。 国道を走るのはわずかな時間なのだけれど、久しぶりだったせいか。 ハンドルを持つ手が震えてなんとも怖いなと感じた。 山道に入るなりほっと肩の力が抜けて一気に緊張がほぐれる。
あたりの風景を恋しがるように見渡しながら職場に向った。 稲刈りの終った田んぼ。ほんのりと藁の匂いが好きだなと思う。
仕事は少し忙しくばたばたとしているうちに一日が過ぎた。 母の機嫌悪し、私がせかせかしていたせいかもしれないと反省する。 そういえば今日は一度も笑わなかったなと家路につきながら気がついた。
なにごとも鏡のようなもの。そこに見えない笑顔に笑顔は決して映らない。
帰宅してまた雨。クルマでお大師堂に参り手を合わす。 「ありがとうございました」とつぶやくと気分がとても清々しくなった。
夕食後には雨がやみ、あんずと大橋のたもとまで散歩する。 草とたわむれるのがほんとに大好きなあんず。くんくんと匂いをかいで。 道草しながらのんびりと暮れていく空や川を眺めていた。
雨雲のすきまからほんの少しだけ夕陽が見えた。
微笑んでみる。その笑顔をあしたの空にそのまま映すように。
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