昨夜は激しい雨音を聴きながら眠ったけれど。 今朝はなんとも清々しい爽やかな青空が見えた。
川向の山々の緑が目に沁みるように鮮やかだった。 そんな絵のような風景を久しぶりに見たような気がする。
山里へ向う国道でMさんと青年遍路さんの姿をさがしたけれど。 長いトンネルを抜けてもふたりの姿は見つからなかった。 夜明けとともにお大師堂を発ったのだろうと思う。 颯爽と歩くふたりの姿が目に見えるようだった。
国道から山道へ。峠を越えると山里の風景が目の前に広がる。 いちばん最初に目にとびこんできたのは一面のオクラ畑だった。 レモン色の可愛らしい花がたくさん咲いていて思わず歓声をあげた。 台風や大雨の被害がなくてほんとうに良かったなって思う。
仕事は忙しかったけれど、荒波が立つこともなく無事に終える。 母も上機嫌でおしゃべりの花を咲かせていた。 相槌を打つのも愉快。私が席を外しても一人でしゃべっていたりする。
どんな日もあるもの。山里へ行くたびにそう思うことが多い。 沈没寸前の船のうえではらはらしたりほっとしたり。 どこまで行っても辿り着く島が見えないのだけれど。 誰ひとりとして船を漕ぐ手を休もうとはしなかった。 微力な私も乗組員の一人であることを忘れてはならない。
帰宅していつものように散歩。麦藁帽子を被って歩く。 土手の除草作業が始まって姫女苑の花も見納めかもしれない。 寂しくなるけれどしかたないこと。花はなくても根は残る。
お大師堂はがらんと静か。Mさんと青年の笑顔が目に浮かんだ。
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