とうとう娘と綾菜がアパートへ帰る日。 なんだかそわそわと落ち着かないまま娘と荷物をまとめる。
何も知らない綾菜のあどけない寝顔を見ていると涙が出てきそう。 「おうちへ帰ろうね」抱っこするとその重みが愛しさに変わる。
クルマで10分ほど。同じ町のこんなに近くに住んでいてくれて なんとありがたいことだろうと思った。遠ければ遠いほど寂しいものだ。
アパートに帰るなり娘は掃除を始めて、おかげですっと抱っこが出来る。 それから買物に出掛け、その間もずっと子守のおばあちゃんになっていた。
環境の違いがわかるのだろうか、綾菜はぐずって眠ろうとはしなかった。 抱っこしていて眠ったらお布団に寝かせてみるがすぐに泣き出してしまう。
ようし、こうなったらもうずっと抱っこだ。なんだか嬉しくなった。 いっぱい話しかけてみたり子守唄も歌ってあやすこと二時間ばかり。 ちょっとお疲れさまのおばあちゃんだったけれどそれがまた嬉しい。
帰宅してから、なんともいえない寂しさにおそわれてしまった。 もう誰もいなくなってしまった娘の部屋でぼんやりと過ごす。
「寂しいね・・」とおじいちゃんも呟きながら二人きりの夕食だった。
我が家のおひさまのようだった娘。綾菜は娘以上に輝いていたのだと思う。
ふたつのおひさまに恵まれていたことはほんとうにありがたいこと。
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