散歩道の土手に野あざみの花が咲き始めた。 触れることも出来ず手折ることもできないけれど。 その凜とした姿にはとても心魅かれるものがある。
好きな花が咲くと嬉しい。心を弾ませて歩く散歩道。
今日はどうしても山里の職場に行かなければいけなくて。 川仕事を休ませてもらいなんだか気忙しく駆けつけて行った。
「すまないねえ」と詫びる母に笑顔で首を横に振り。 自分にしか出来ない仕事を一生懸命に頑張った一日。
川仕事も終盤になった。もうひとふんばりで楽になる。 そうしたらまた母を助けてあげることも出来るようになる。
見るたびにちっちゃくなる母。背中もずいぶんと丸くなった。 けれども弱音を吐かない母はとても頼もしく見えるのだった。
「ありがとうね」そう言って私を見送ってくれる。
なんだか胸が熱くなってほろりと涙が出そうになった。
母はどうしようもなく老いていく。 けれども必死になってその老いと闘っているように思える。
私の老いなどちっぽけなもの。まだまだこれからではないか。
「また来るから待っていてね」母は庭に出て私に手を振ってくれた。
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