しとしととやわらかな雨が一日中降り続いていた。 優しい雨がほんのすこし春を招き入れてくれたようだ。
静かな雨音に耳を澄ましながら穏やかな心でそれを受けとめる。
雨がよい。雨でよい。こころの中でちいさな芽がふくらんでいる。
傘をさしてほんの少しだけ歩いた。 万歩計はいつもの半分にも満たないけれど。 どんな日もあってよしと自分を宥めつつ歩く。
しっとりと濡れているあたりの景色もまた良いもので。 若草の緑も木々の芽も喜んでいるのが嬉しくもあった。
おひさまも雲の上で微笑んでいることだろう。 あとは私にまかせておいて。そんな声が聞こえてきそうだった。
雨のまま暮れていくいちにち。なんと平穏な一日だったことだろう。
そうして眠れば朝が来る。それは決して当たり前のことではない。
毎日が奇蹟のように過ぎていく。生きているってこんなにありがたいこと。
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