冷たい雨のいちにち。春の兆しだと思っていても。 なんとなく気分が沈んでしまってしょんぼりと過ごす。
いつものように散歩に行けなかったせいもあるだろう。 溌剌とした気分にはなれずすっかり無気力になってしまった。
どうしたことかひどく昔々の出来事をふと思い出したりした。 後悔なのか懺悔なのか。どうしてあんな事をしたのだろうと思って。 けれどもあの時はああするしかなかったんだと自分を宥めてもみる。
とりかえしのつかないこと。誰にだってひとつくらいあるのかもしれない。 忘れようと思っても一生忘れる事の出来ない「あやまち」のようなこと。
しばらくのあいだくよくよと思い出してはほろほろと涙がこぼれてきた。 なんだか遠い過去の世界から手が伸びてきて頬を打たれたような気分だ。
痛いな。ああこんなに痛いことだったんだとあらためて思う。
そうしてやっと暗い穴のそこから這い上がってきていまここにいる。 ここは穏やかでなんとあたたかく優しい場所なのだろう。
ずっとずっと長い旅をしてきて辿り着いた私の居場所なのかもしれない。
ここでいい。ここがある。もうどこにも行かなくてもいい。
冷静に考えてみるとそんな過去のおかげで今の自分がいるのだと思う。 その「あやまち」をしないでいたら私の人生が大きく変わっていたことだろう。
だからゆるす。他の誰よりも自分自身でわたしのことをゆるしてあげたい。
だいじょうぶ、生きているのだもの。だいじょうぶ。胸をはって生きよう。
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