曇り日。おひさまが見えないとこんなにも寒いものか。
いつか母の言っていた言葉を思い出す。 「雲の上にはちゃんとおひさまがいるんだよ」って。
雲のお布団でうたた寝をしているのかもしれない。 けれどもしっかりと輝いていることだろう。
朝のうち。てくてくと歩いて地場産市場へ行く。 土の付いている里芋を買った。ほくほくと柔らかそう。
以前は自転車で行っていた道を歩くのも良いものだ。 これも万歩計のおかげ。もう自転車は不要にさえ思える。
ちょっと歩いては寝る。それがたまに傷だけれど。 午後は炬燵にもぐり込んでまた寝入ってしまっていた。 なんともだらしないのは今に始まったことではない。
そうして散歩の時間になればよっこらしょと起き出して。 「さあ行こう!」とちょっと気合を入れて歩き出すのだった。
今日は時間もたっぷりとありゆっくりと散歩を楽しむ事が出来た。 川面は空を映して灰色に見えたけれどゆったりと大らかに流れている。 すっかり冬枯れてしまった栴檀の木には可愛い実が風に揺れている。
あんずは道草をする。あっちでくんくんこっちでくんくんしてばかり。 すると枯れ草ばかりだと思っていた土手にヨモギの若い緑を見つけた。 なんとほっとする緑だろう。ちいさな春を見つけたようで嬉しかった。
お大師堂で手を合わす。蝋燭の炎。お線香の真っ直ぐな煙。
「今日も見守ってくれてありがとうございました」
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