朝から雨が降りやまず雨音が心地よい夜になった。 昼間はとても冷たく感じた雨が夜には不思議と暖かく感じる。
一雨ごとに春が近づくにはまだ早いのかもしれないけれど。 ひたひたと満ちていくようなこころに一粒の種を蒔きたくなった。
何も始められないでいる。だからこそ一粒の種が必要なのだ。 そうして芽が出てくれたらどんなにか励みになることだろう。
出来ない事を数えるよりも出来る事を数えていたい。
咲けない事を嘆くよりも一粒の種のありがたさを知ろう。
むかし。私は詩人のようになりたくてたまらなかった。 そのちっぽけなプライドが今はもう跡形もなくなってしまった。
だからもう私には何もこだわることがないのかもしれない。
ただ平凡な毎日をそっと書き留めるだけの日々である。 つまらないこと。なんでもないこと。それが日常でもあった。
そうして生きている。そんな日々が愛しくてならない。
愛しいものはなんとしても守りたいものだ。
いまここに一粒の種がある。そっと蒔いておきましょう。
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