今朝の山里は深い霧につつまれていた。 日が昇るにつれてその霧が晴れていく。 しっとりした空気に光が降り注ぐ様は。 なんとも清々しく心地よい光景であった。
ときどきじぶんもそんなときがある。 わけもなくもやもやとしているときに。 きっかけのように光がさしてくるときが。
ああ生きているんだなってすごく感じる瞬間。
今日も平穏無事。なんとありがたいことだろう。 まわりがすべて穏やかに見えて自分も穏やかでいられる。
波風をたてないようにつとめる。静かな湖のように。 もしも荒れたとしたらそれはきっとじぶんのせいだろう。
散歩道を歩けば河川敷の栴檀の実にこころがひかれる。 決して宝石ではないけれどその粒たちが空の宝物のよう。
お大師堂の銀杏の葉がはらはらと舞い降りてくる。 やがて地面を埋め尽くすことだろう。黄金色の絨毯。
見るものすべてが愛しくてならない。これが私のしあわせだった。
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