相変わらず寒い日が続いている。 南国高知の天狗高原にも初雪が降ったそうだ。
平野部にもやがてそんな日が訪れることだろう。 寒いのは苦手だけれど雪景色は決して嫌いではない。
昼間。仕事でとある老夫婦のお宅を訪ねた。 農作業の手を休めてくれてしばし語らう。 おじいさん、おばあさんと互いを呼び合うふたり。 なんとも仲睦まじくほっこりとした気分になった。
帰り際に蜜柑をいただき二人して私を見送ってくれた。 その笑顔のあたたかいこと。とても嬉しくてならない。
そうしてクルマを発進させた途端。胸がいっぱいになり。 なぜだか涙がほろほろと溢れ出してきたのだった。
もちろん嬉しさもある。けれどもそれ以上に感じたのは。 私達もあんなふうに老いていけたらどんなに良いだろうか。 彼とふたり長生きをしてお互いを思い遣りながら暮らしたい。
それがなんだか夢のように思えて感極まったのだと思う。
生きてみなければわからないこと。もしかしたと思う不安。
まだまだこれからの人生だと思いたいのだけれどやはり心細い。
10年前には思いもしなかったことが今は現実となり押し寄せてくる。
生きたい。いきたい。生きたい。いきたい。それが私の夢になった。
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