散歩道のススキと野菊が好きだ。 なんとも秋らしい風景に心が和む。
そうしてゆったりと流れる大河。 もしも何かに拘っているのだとしたら。 この川に流そう。そんな気持ちになる。
散歩から帰ると庭に息子のクルマがあった。
「今夜はお寿司だけど良い?」
「おぅ!それは良いな」
鰹でひっつけ寿司を作った。 高知の郷土料理で普通の握り寿司と違うのは。 鰹の切り身を酢に浸してから酢飯にひっつけるのである。 ワサビを効かしてちょこっとお醤油をつけて食べる。
息子は少し疲れ気味でため息をついていたけれど。 握ったばかりのお寿司を美味いなと言って食べてくれた。
元気な時もあればそうでない日もある。 けれども我が家に帰るのが気分転換になっているようだ。 そうして少しでも癒されるのならと父も母も願っている。
食べ終わるなりすぐに帰ると言う息子を庭に出て見送る。 いつもは玄関先で見送るのだけれど、今日は特別だった。
クルマに向かって手を振ると息子も照れくさそうに手をあげた。
どんな時もあるよね。しんどい時もいっぱいあるよね。
またいつでも帰ってきなさい。父も母も待っているから。
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