猛暑日。おそらくこの夏いちばんの暑さではなかっただろうか。
以前は夏の暑さがとても苦手だったことを思い出す。 それが今では耐えられるようになったのが不思議だった。
夏が大好きだった子供の頃にはほど遠いけれど。 ふと童心にかえったかのように夏を楽しむ気持ちになる。
夏休み。おじいちゃんの畑のスイカがとても美味しかったこと。 くちびるが紫になるくらい川で水遊びをしたことなど懐かしい。
おじいちゃんも死んでしまった。おばあちゃんも死んでしまった。 けれども記憶のなかではいつでもかえって行ける夏があるのだった。
そういえば弟はスイカが大好物だったっけ。 半分に切ったのをスプーンでほじくってペロリと食べてしまった。 そうして残った皮の部分を頭にかぶっておどけたりしたものだった。
そうそう、そうして翌朝にはスイカ色のおねしょをしたりしたんだ。 あれはとても愉快だった。あいつまさか忘れてなんかいないだろうな。
夏にはたくさんの思い出がある。
それが夏の事でなかったなら忘れてしまったかもしれない。
そう思うと夏のことがとても愛しくてならないのだった。
|