「まぶちん」子供の頃からずっとそう呼んでいた私のおとうと。
いまはすっかり中年のおじさんになってしまって。 「まぶちん」と呼ぶと。もうその呼び方やめてやとおこったりする。
けれども他にどんな呼び方があると言うのだろう。 よぼよぼのおじいさんになっても私はそう呼び続けることだろう。
今日はそのまぶちんの52歳の誕生日だった。 以前はお中元もかねて何かかならず送っていたのだけれど。 去年からそれが出来なくなった。だって姉ちゃん金欠だし。
宝くじが当たったら家を一軒買ってあげるからねとメールする。 そうして「おまけ」と称して昨日のあんずの写真を添付しておいた。
あんずは弟の家で生まれた犬だった。 生後6ヶ月まで母犬と一緒に暮らしていたのを我が家に引き取ったのだ。 ころころとした子犬のあんず。弟一家にどんなに可愛がられていたことか。
あんずという名もそのままである日突然に我が家に置き去りにされた。 その時はどんなに途惑ったことだろう。どんなに寂しかったことだろう。
あんずは元気か?それ以来ことあるごとに問うまぶちんであった。
手術したけどこんなに元気だよ。今日のメールにもそう添える。
五分もしないうちに返信のメールが届いた。
あんずの元気な姿が何よりのプレゼントだよ!って言って。
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