早朝。あんずの悲鳴のような泣き声で目覚める。 どうやらトイレを我慢しきれなくなっていたようだ。 人間の言葉はしゃべれなくてもそうやって伝えようとする。 もっともっと言いたい事があるだろうに。 そう思うとどんな些細なしぐさも感じ取ってあげなくてはと思った。
少し寝不足の朝。いつもの山道を職場へと向かう。 するといつの間に咲いたのだろう。ねむの木の花があちらこちら。 とても好きな花だった。ちいさな孔雀が木にとまっているように見える。
ことしもまたそんな季節が巡って来たのだなあと感慨深く眺めた。 紫陽花の季節が終わり始めてもこうして夏の花たちが生まれてくれる。 春夏秋冬。花はいつも傍らにありひとの心を和ませてくれるものだ。
職場に着けばヤマモモの実が赤く色づきはっと目をみはるほど。 ほんの数日見ないあいだにこんなにもたわわに実ってくれたのかと。 なんとも嬉しい気持ちになった。すっかり夏なのだなあとつくづく思う。
咲く花。実る木。すべて命があってこそのこと。 もしも失うことがあったとしても嘆いてはいけないのだと思う。
おかげでいきいきとした気持ちになり一日を過ごせた。
夏の花よありがとう。夏の実よありがとう。
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