昨日旧友の声を聞いてからというもの。 高校時代のことが押し寄せてくるように思い出されてならない。
それはまるで昨日のことのように鮮やかな記憶だというのに。 いったいどれほど遠いところまで来てしまったのだろうか。
放送部で始まり放送部で終わったような私の青春だった。 そこに属していなければ私の人生までも変わっていたことだろう。
ひとりはS先輩。もうひとりはN先生。 恋というものは今思えばあまりにも儚くて。 どうしてあれほどまでに胸を痛めたのかわからなかった。
もう終りにしようとS先輩が告げたのは放送室の片隅。 嘘でしょ?って思った。だってずっとずっと信じていたから。 それが本当のことなら私は死ななくてはと本気で思った。 死に場所まで決めたというのに私は死ねずに生きる事になった。
S先輩が卒業し、私は放送部の部長になった。 リクエストボックスなるものを設置しお昼休みに音楽を流す。 教育実習で来ていたN先生はそれをとても喜んでくれた。 毎日のように放送室に押しかけてくるN先生と意気投合する。
それからのことはここに記すことが出来ないけれど。 N先生との出会いが私の人生を大きく変えてしまったのだった。
それはとても辛く悲しい現実をともなう。その現実を一生背負うことになる。
36年の歳月が流れた。けれども私はいまだに背負い続けている。
生きている限り。いや死んでしまっても背負い続けていることだろう。
それが女に生まれた。母という名のさだめだと思っている。
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