黄砂におおわれてぼんやりと霞んだ空。 けれどもそこにはきっと青空がひろがっているのだと思う。
黄砂のベールを透かすようにやわらかな陽射しが降りそそぐ。 それはもう春のそれではなくてすっかり初夏のようだった。
散歩道。なんともいえず風が薫る。 緑のにおいだろうか花のにおいだろうか。 くんくんとしているあんずの真似をして。 私もその風のにおいをかいでみるのだった。
風のにおいで胸がいっぱいになる。 こんなに満たされていいのかと思うほど。
ちっぽけなじぶんがとても愛しくおもえてくる。
いいのだろうこれで。ばくぜんとそう感じた。
風が薫る。すべてを受けとめた風が吹きぬけていく。
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