寒の戻りを思わすような肌寒さ。 冷たい風が吹き荒れて身震いするばかり。
夕方近く大橋のたもとの東屋にお遍路さんがいた。 どうやらそこで野宿をするふうで気になって仕方がない。 おせっかいを承知で話しかけてみたらやはりそうだった。
お大師堂の場所を教えると「行ってみます」と言ってくれる。 その笑顔がとても嬉しかった。声をかけてみて良かったなと思う。
帰宅してずっと窓の外を見ていた。 大きな荷物を背負ったその人が土手を歩く姿が見えてほっとする。 冷たい風に立ち向かうように歩く姿に胸が熱くなるほどだった。
吹きっさらしの東屋で一夜を明かすことを思うと。 お大師堂の畳がどんなにかありがたいことだろう。 ぐっすりと眠ってまた明日から頑張ってほしいと願う。
お風呂にもはいれないひと。 お布団で寝ることもできないひと。
お遍路さんと被災地の人達が重なる。
せめて少しでもほっとする時間があればどんなにかいいだろうか。
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