桜並木をあおいだ。 昨日よりも今日と桜色に満ちている。
胸が熱くなる。痛いような熱さ。 毎年咲いているはずの桜の花が。 今年ほど胸に沁みることはない。
いつの春だったか。私は明日死ぬかもしれないとおそれ。 まるでそれが見納めのように思ってその花を仰いだことがある。
けれどもことしの春はちがう。 なんとしても生きていたいとつよくおもう。 死んでたまるかと勇気のようにそうおもう。
なんでもないような平凡ないちにちが愛しい。 平穏であることが今はとても心苦しいけれど。
ああ今日も生きていてよかったと素直におもう。
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