さあ月曜日。気分を一新するような気持ちで職場に向かう。
峠道を行けばひとりふたりとお遍路さんの姿。 民家のそばを通れば柿の実が色づき始めている。
山里はひんやりとした朝の空気につつまれていて。 朝陽を待ちわびていたように草木が輝いて見える。
穏やかな一日だった。とてもほっとしながら時を過ごす。
日暮れがずいぶんと早くなった。 すっかり暗くなった路地を歩き姑さんの家に行く。 今日は義父の命日。もう28年もの歳月が流れたことになる。
初孫だった息子のことをとても可愛がってくれた義父。 家族みんなで来られなかった事を詫びつつ手を合わした。
遺影の義父は今の夫よりもほんの少し若い頃の姿だった。 「俺も親父の年まで生きれたらじゅうぶんだ」などと。 弱音をはいていた彼も。その年を越えほっとしているように見える。
最近では「おまえよりもちょっと早く逝かないとな」などと言って。 私とふたりで冗談を言いつつ笑い合っている彼だった。
けれどもそれはほんとうに心細くてさびしいことだと思う。 ともに白髪の生える年まで寄り添ってきたふたりだもの。 腰が曲がって杖を頼りに歩くようになっても一緒に生きていたいものだ。
命日を憶えていてくれたのかと姑さんは嬉しそうに微笑んでくれた。 50歳で夫に先立たれてどんなにか辛く寂しかったことだろう。
今は不自由になってしまった手足だというのに毎日畑仕事を頑張っている。
28年の歳月。それはとてつもなくながい歳月に思えるけれど。 つい昨日のように思い起こすだって出来るかけがえのない歳月だった。
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