散歩の帰り道。それは綺麗な中秋の名月を見た。 暮れようとしている空にぽっかりと浮かぶ月は。 まるで夢のようにまるで希望のように明るかった。
あきらめてはいけないなとふとおもう。 まっくらやみのじんせいなんてありえないのだから。
祖母の命日。愛子という名のおばあちゃんだった。 愛ちゃんって呼んであげるとすごく嬉しそうにしていたっけ。 大好きだった愛ちゃん。私のことをとても可愛がってくれた。
ねえおぼえてる?夏休みに一緒に寝た時。 朝起きたら愛ちゃんの入れ歯が外れて私の手を噛んでいたの。 ふたり大笑いしたね。あの時の愛ちゃんは子供みたいだった。 お茶目な愛ちゃん。そんな愛ちゃんに似ているねって言われるの 私すごく嬉しかったんだよ。愛ちゃんの孫でほんとうに良かった。
お彼岸なのにお墓参りも行けなくてごめんね。 今日は一日中愛ちゃんのことを思い出していたよ。
川仕事をしている時に白鷺が飛んできたの。 すぐ近くまで来てじっと私のことを見つめているから。 愛ちゃんが空から舞い降りてきたのかなって思ったんだよ。
綺麗なお月さま。おじいちゃんと一緒に見ているかな。
空はずっとずっと果てしなくつながっているんだもん。
たったひとつきりのお月さま。私も一緒に見ているからね。
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