ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2010年07月27日(火) 百日紅

その家の老夫婦が相次いで亡くなってから
もう幾度目の夏なのだろうか。

今は空家同然になっているその家に
百日紅の花がそれは鮮やかに咲いているのを見た。

毎年咲いていただろうに今まで気づかなかった。
その紅はまるで生まれたばかりのように空を染めている。

散歩の帰り道はっとこころを魅かれ立ち尽くす。
こんなところに咲いてくれたのかと声をかけたくなった。

あるじ無き家はひっそりと静まりかえり
ただ蝉だけがその家の木々に声を響かせているばかりだった。

百日紅あるじの声を忘れたか

そうつぶやきながらそれを否定するように首をふる。

真っ先に愛でてくれたであろうひとがいなくなっても。

花は咲く。花はずっとずっとそこで生き続けているのだ。


胸がいっぱいになった。

わたしが見つけてあげようとさえ思った。

夏がくるたびに愛でてあげようとおもった。


 < 過去  INDEX  未来 >


anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加