梅雨明け。空はすっかり夏空となり入道雲。 そんな空を仰ぎながらああ夏なのだなと思う。
いつからだろう。わたしは夏が好きになった。 どうしても忘れる事の出来ない夏の日がある。
あの日手を振って別れたひとは元気でいるだろうか。
もう二度とあうことはないだろう今生の別れだった。
そんな想いを胸にひめながらも日常があたりまえのように訪れる。 主婦らしく洗濯物を干す庭先には花すべりの花が咲き始めた。 ツバメは忙しく餌を運び続け犬小屋ではあんずがあくびをしている。
息子君が突然やってきて「朝御飯を食べさせて」と言ったり。 何もなくても卵かけご飯とお味噌汁でじゅうぶんだと喜んでいた。
買物に行けば店員さんが浴衣を着てレジをしていた。 店頭ではトウモロコシを焼いている香ばしいにおい。
これが夏なのだ。今年の夏なのだとおもう。
夕食後。夕涼みをかねての散歩。 どこからかどんどこどんどこ太鼓の音が聴こえてくる。 そうして盆踊りの歌が聴こえはじめてきた。
懐かしくなるような音だ。子供の頃を思い出す。
どんどこどんどこ今も太鼓の音を聴きながらこれを記す。
歳月は流れる。いくどもいくども夏がやってくる。
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